mr_sorao’s diary 2015年度システム監査技術者受験に取り組んだ記録と備忘録

2015年度情報処理技術者試験 システム監査技術者に取り組んだ記録と備忘録

論文設計方法についての備忘録

 論文の書き方についてアイデアが閃いたので備忘録を書きます。

 今朝の電車の中で、前の日記に書いた結城浩さんの「数学文章作法 基礎編」を再度読んでいたら、次の内容の一節が妙に気になったのです。

 段落の最初の文はとても大切だ。

 そこで試しにこの本の一つの章を特殊な読み方を使って読んでみました。特殊な読み方というのは、「段落の最初の文だけを読む」というものです。
 驚きました。結城さんの文章って、段落の最初の文だけを読むと、それだけで見事にその章の「要約」になるのです。

 「これ・・・、小論文の設計に使えるんじゃね?」と閃きました。

 情報処理試験の小論文に取り組んだ方なら経験をお持ちだと思いますが、論文を書き始める前に「論文設計」と称する論文の粗筋の組み立てをするかと思います。しかし私の場合、いざ論述を書いていると、いつの間にか設計時に決めた粗筋と違う内容にそれてしまうことも多いのです。
 閃いたアイデアというのは、「設計の時点で、段落の最初の文を決めてしまう」というものです。これなら出題と自分の論述にブレが無いかも事前にキッチリと確認できるし、自分の論文の要約をしっかりと頭に入れた上で論述を開始できるのではないかと思ったのです。

 論文の練習開始はおそらく年明けになるかと思いますが、その時に試してみようかと思っています。時間に余裕があったらここでも報告させて戴きますね。

今年の知識インプットの本(その2)の読後感想文

 

前回紹介させて戴きました、結城浩さんの書かれた「数学文章作法 基礎編」ですが、面白くて一気に読破してしまいました。
今回はその読後感想文です。個人的な思い入れたっぷりになると思いますが、どうかその点はご容赦下さい。

結城浩さんは、唯一の原則を中心に文章を書いているとのことです。その原則とは「読者のことを考える」です。
これをAUの午後2に当てはめてみます。
(本当はAUに限らず情報処理試験の小論文全体で考えてもいいのかもしれませんが、残念ながら私はそこまで頭が回りませんので)

結城浩さんは、読者の " 知識 "・" 意欲 "・" 目的 "を把握すべしとおっしゃっておりますので、その観点から考察してみます。
自分の書いた小論文を読む読者とは、もちろん試験の採点をする方のことです。

1.知識
 これはもう、システム監査の知識が充分にある方だと思っています。充分に、という言葉を具体的に言うと「教官レベル」です。

2.意欲
 もちろんIPAから報酬を得るため、という動機もあるでしょう。でも、私にはそれだけではないような気がしています。採点を行うメンバーはみな教官レベルの方々、この報酬がなかったら路頭に迷うという方はいないと思うのです。
それでは何故こんな仕事を買ってでているか。おそらくはシステム監査を行う人材の発掘のため、優秀な人材を掘り起こしてこの業界を盛り上げるため。それによって世間のITサービスの質を向上させ、ITサービスを使うユーザーを幸せにするため。そんな意識を持っている方も多いのではないでしょうか。

3.目的
 合格者を選別することがこれにあたるのかな。
これはまったくの想像です。採点にあたる方々で設問ごとに採点チームを作っている。そのチームのリーダーは問題文の執筆者が務めている、そんなイメージを浮かべています。チーム員が、「小論文としての体裁はとれているか」「問われていることに網羅的に答えているか」等といった観点からまずチェックを行い、判定に迷う論述があったらチームリーダーに判断を仰ぐ、そんなイメージを抱いております。

(感想)
小論文の読者は、殆どの場合は一人しかいなくて、一回しか読んでくれなくて、しかも採点をつけた直後に私の書いた論文の内容など忘れてしまうのでしょう。
また、たった120分しか時間はなく、自由に校正もできないのですから充分な文章など書けるわけがありません。
しかし採点する人の想いには報いたいものだと思いました。そのために読みやすい文章を頑張って書きたいと思います。
へりくだる気持ちを持つ必要など少しもないとは思うのですが、読み手を考えて精一杯論述し、せめて堂々とした気持ちで試験会場を後にしたい、そういう思いになりました。

 

今年の知識インプットの本(その2)

こんにちは

今日から論文対策用の本を一つ読み始めています。

「数学文章作法 基礎編」という本で、著者は結城浩さんです。

ITに関係している方なら、この先生の著書を読んだ経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
かくいう私も、随分とお世話になりました。今までに読んだのは;

Java言語の入門書(二巻)
オブジェクト指向デザインパターンの本(二巻)
・暗号の入門本

もう五冊にもなります。どの本も、一回読んでハイ終わり、ではなく幾度も繰り返して読みました。
読んでいる時には意識はしませんでしたが、思い起こしてみると、どれもみな分かりやすかったです。

さて、今回の本は、分かりやすい文章を書くために結城先生が実践してきたノウハウを、読者に伝授して下さっている本です。
まだ少し読んだだけですけど、既に目から鱗が落ちるような感覚を何度も覚えました。

この本を読んで、少しは試験の採点をする方に読みやすく理解しやすい文章を書けるようになれたら嬉しいと思っています。

 

数学文章作法 基礎編 (ちくま学芸文庫)

数学文章作法 基礎編 (ちくま学芸文庫)

 

 

午後1の取り組み(国語の問題)

こんにちは

11月は、AUに必要な前提知識の拡充と、問題を解くための国語の練習を目的として、PM及びSTの午後1に取り組んでおりました。
参考にしたのは、前に紹介させて戴いた、
「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」
「情報処理教科書 ITストラテジスト」
この二冊です。どちらも「問題の解き方」に徹底的にこだわった良本だと思います。

さて面白いことに、この二冊の本に書いてある「午後1の解き方」は微妙に異なっているのです。
(それを具体的に書くのはちょっと差し控えますね)
問題を解き始める前までは、この違いは著者の個性による違いだと思っていました。つまり、それぞれの著者がそれぞれに編み出した解法であるが故に違っているのだと。
しかし問題を解き進めていくと、これは著者の個性だけではなく、PMとSTの午後1問題の特徴に合わせてあるから違うのだということに気がつきました。

午後1問題の特徴を対比させると、こんな感じです。

区分専門知識の必要性設問と問題文の位置関係
PM 必要。PM知識に基づく思考回路が身についていないと解けない。問題文のヒント記述に専門知識を加えて解答になるものが多い。 各設問の先頭に[段落]が指定してある。その段落まで読めば答えを導き出せることがほとんど。
ST 専門的なIT知識は不要。それが必要な局面になるとSAを顎で使うらしい(笑)。ただしコンサル的な思考は必要。一般論で答えられるものが多い。 設問に対するヒントは問題文全体に散らばっていることが多い。設問を正確に理解し、複数のヒント記述から解答を論理的に組み立てる必要がある。

 

問題に取り組んだ感想としては、PMの方が専門職試験の特色が濃く、STの方はPMよりさらにジェネラリスト色が強い感じです。
また、STの方が、より「国語の問題」になっている気がしました。そのせいか自分の正答率のバラツキも非常に大きく、よく出来た時は80点取れるのに悪いと20点というありさまです。設問で何が問われているのかを正確に把握した上で解答を組み立てないと、悲惨な結果になるのです。

午後1の解法も、それぞれの午後1の特色に合わせて違うものになっているのだということがわかりました。つまり、設問文と問題文の位置関係、具体的にはヒントとなる記述の見つけ方に考慮した解法になっていたのです。

さて、肝心のAUの午後1ですが、上の表のPMとSTの中間に位置づけられるのかと思っています。
ただAUの午後1に手をつけるのは、まだもう少し先になりそうです。PMについては参考書で指定されている必須問題と重要問題を二周したのでここらで切りをつけますが、あとしばらくはSTの午後1に取り組んで国語力アップの努力を続ける予定です。

 AUの勉強は、電車の中で監査基準や管理基準を読み直したり、前の日記で紹介した本を読む予定です。

それにしてもどんな解法がAUによいのか、果たして上手くつかめることやら・・・。

 

 

今年の知識インプットの本(その1)

こんにちは

「国語の問題について」を書くとか言っておきながら、自分自身がそれをブログにまとめきれる状態にはなっておりません。そこで出会ったばかりの本を一つ紹介させて下さいませ。

 

システム監査の理論と実践 第2集」という本です。

 

今年の知識インプットは何にしようかな、と思って探していて出合いました。

電車の中で読めるようにと思って電子書籍を調べていたら、こんな本が電子書籍版でリリースされていたのです。値段が1,200円というお手頃感もあって、思わずポチッと買ってしまいました。
まだ読み始めて少しの所ですが、予想以上にいい感じです。
何がいい感じなのかっていうと、システム監査全体に対して手短に書いた本なのに、情報処理試験の参考書に書いてある内容よりも、一歩踏み込んだ感じなのです。
どうして監査基準がそういう作りになっているのか、とか、その監査要点はこういう理由でつけたんだよ、といった記述が興味深いです。
BCP/BCMやらセキュリティといった章立てに分けて記述された部分も、試験用参考書よりも踏み込んで書いてあって面白いです。

残念な点は、AUの勉強が初めて、という方に向けた内容ではないことです。監査基準や管理基準を一通り理解していることが前提となっているように感じます。
AUの学習の中で位置づけるならば、試験用参考書をやった上で、もう一段知識を盛り上げて実践的に組み立てたい、そういうスタンスの方に向いているのだと感じました。
具体的に言うと「情報処理教科書 システム監査技術者」「システム監査技術者合格テキスト」「システム監査技術者 専門知識+午後問題の重点対策」、今年からAUの学習を始める方は、これらの本から一冊を選んで取り組むという方が多いと思いますが、その一冊の本を終えたタイミングで読むと大きな効果があるのかもしれません。

しかしこの本いいですよ、今年の知識インプットの主役にしちゃおうかしらん、そう迷ってます。

 

 

システム監査の理論と実践 第2集

システム監査の理論と実践 第2集

 

 

学習方法のテーラリングについて(その3)

前回の記事で「次は国語の問題について」と書いたのですが、国語の問題の話題に移る前にもう一つ書きたいことがあったのを失念していたのでそれを書きます。

それは勉強方法の進め方の話です。システム開発にたとえて言うなら「開発モデル」の話です。

 

去年の学習方法は、いわばウォーターフォール型とでも言うような学習方法でした。つまり、参考書で知識をインプットしたら午前2の学習、それが終わったら午後に取り組む、という形です。

また自分が失敗した午後1の学習も、過去問を「年次毎」に解いていきました。つまり、「H25問1-問2-問3-問4、H24問1-問2-・・・」という順序で取り組んだのです。

午後2についても、得意なシステムライフサイクルの問題ばかりを選り好みして書いていました。

 

これが必ずしも間違っているとは思いませんが、自分の記憶力・集中力の観点からすると、改善すべき点があると考えました。去年の方法では、自分が今どんな領域の勉強に取り組んでいるのかはっきりしなくなるからです。 そのため今年は、スパイラル型での学習をしようと計画しています。下の表をご覧下さい。

 

呼称AUSC系ST系PM系SM・BCP
入力 監査基準、管理基準(共通) SCマネジメント 管理基準(戦略・企画) 管理基準(開発) 管理基準(運用・保守)
午後2 AU系PM2 SC系PM2 ST系PM2 PM系PM2 SM・BCP系PM2
午後1 N/A SC系PM1 ST系PM1 PM系PM1 SM・BCP系PM1

 

この表で分類した系統毎に学習をしようと考えております。

最初に取り組むのは上の表で分類した「AU系」です。この系統が何なのかは少し判り難いですよね。午後2の具体的な問で例に挙げるならば「H17問1 システム監査の品質確保について」「H18問1 監査手続書の作成について」こういう問題が入る場所です。

SC系以降の系統に関しては、特に説明は不要かと思います。

この系統毎に分類してから一つづつ取り組む学習方法によって、自分が今取り組んでいる対象が明確になり、より深い領域まで自分の知識が浸透していく、そんなことを期待しているわけです。

この分類方法はまだ確定はしておりません。なぜならば、こんな具合に綺麗に分類できるかは、やってみないと何とも言えませんから。

ではでは。

学習方法のテーラリングについて(その2)

今計画している勉強方法のことをどこから書けばいいのか悩んだのですが、やはり大枠の部分から書くのが宜しいかと思いましたので、その辺りから書いて見ます。

自分は情報処理技術者試験の初挑戦でSM(ITサービスマネージャ)に一発合格しました。
そしてSMを受験した時より多くの対策をしたにも係わらず、AU(システム監査技術者)では午後1であえなく門前払いとなりました。

これを成功体験と失敗体験として対比させました。
ちなみに私、運用保守の経験は豊富ですが、システム監査に関しては自分が属する組織が被監査部門になった時の「自主点検責任者」を務めてます、という程度です。


成功体験(SM)
+-------+
|知識インプット|
+-------+
 ↓
+----------+
|実務経験とマージして|
|腹に落ちた知識にする|
+----------+
 ↓
+-------+
|過去問を解く |
|合格レベル解答|
+-------+


失敗体験(AU)
+-------+
|知識インプット|
+-------+
 ↓
+------+
|過去問を解く|
|レベル不安定|
+------+


まぁ一目瞭然です。SMの時には実務経験が豊富でしたので、知識インプットで得た知識がすんなりと腹に落ちたのです。実は私、SM受験の時は午後1に関しては殆ど対策を行わなかったのですが合格点を取りました。やはり実務経験の有無の差は大きいと実感しました。
ではAU午後1突破のために、実務経験に乏しい私はいったい何をすればよいか。その疑問に対してこう考えました。自分は、もっと疑似体験を積む必要がある。そもそも午後の問題というのはケーススタディに設問がくっついているようなもので、解いてるうちに多少の疑似体験は自然と出来る仕組みとなっている。でも自分の場合はもっと意識的に疑似体験に取り組んで、仮想の実務経験を組み立てる必要があるのだと。
では、仮想体験を意識的に効率よく積むにはいったいどうすれば良いのか・・・。これは随分と悩みました。受験対策本だけではなく、監査実務の本でよいものがないだろうかと探してみたりもしました。そんな右往左往をしているうちに、先人が考えた一つの方法と出会うことが出来ました。

その方法は「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」に書いてありました。

結論から言うとその方法とは、「午後2の問題文には実務を行う上で必要なノウハウが詰まってる。だからこれを利用して疑似体験を積め」というものです。

情報処理試験の小論文に取り組んだ方なら皆さまご存知だと思いますが、小論文にはこんな問題がよく出題されます。
「○○の業務を行っていると、こんな問題と出会うことがある。その時○○なら、こんな行動をして問題解決するはずだ。君にもそんな経験があるよな。その経験を具体的に2400文字で書いてくれ」という内容です。

見方を変えれば午後2の学習は、疑似体験を積むには格好の素材になる可能性を持っているのかも知れません。

そこで今年のAU学習は、成功体験と失敗体験を踏まえまして、以下の形を予定しております。

+-------+
|知識インプット|
+-------+
 ↓
+------------------+
|実務経験の代わりに午後2問題を精読 |
|小論文を書くかせめて粗筋を組み立てる|
+------------------+
 ↓
+------+
|午後1を解く|
+------+

こんな感じです。

ではでは。次は「国語の問題対策」あたりを書こうかな